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純愛ハンター
第10章 裁き10(最終回)、純愛という名のエンターテイメント
「うわあぁぁぁっ…!」
「嫌っ!嫌っ…!嫌ぁっ!」
「な、何っ?何でっ…?」
「違うんですっ…!わ、私じゃないっ!」
「玲子っ…?!」

突然、玲子は背中に包丁が突き刺さったまましなやかに起き上がると、ツカツカ…と4人の目の前に平然と歩み寄った。
4人はまるで蜂の子を散らしたように慌てふためきながら、床を這って玲子から離れた。

「どう?思い出したかい…?復讐の怒りに巻かれて人を殺めた瞬間の感覚を…決してイイもんじゃないだろ?」

玲子は爽やかな笑みを浮かべながらそう諭した。

「うふっ…4人ともとぉってイイ顔してるよ!後悔…困惑…現実逃避…そして、更なる憎悪にキレイに彩られたさぁ?」

4人はハッとしてそれぞれ自分の顔に触れた。

「いかにも復讐に溺れた女の末路って感じで…ホンっトにセクシーだよ…!きっと道行く死神たちが放っときゃしないよ…ねぇ?」

すると4人の顔からは一気に毒気が抜け、復讐の依頼に訪れた頃の弱々しい顔つきにみるみる戻ると…

「だ、だから私はやめようって言ったのに…!」
「この人が言い出したのよ!私のせいじゃない…私は悪くないモン!」
「お前ら…人のせいにしやがって!泣いて喜んで賛同したクセにっ…!」
「私の人生メチャクチャにして…この責任どう取ってくれるつもりなのっ…?」

それぞれが責任を擦り合うように言い争いをはじめた。
お嬢は4人の醜態を見るに見かねて、思わず目を閉じて顔をそむけた…。
この醜態はかつての自分自身の姿であり、復讐心に取り憑かれたままだったならば自分の行く末の姿だ…と思わされたからだ。

(見てらんない…でも、私はコイツらのこの姿を目に焼き付けておくべきなんだ…)

だがそう思い直すと、お嬢は醜く言い争う4人の姿にしっかりと目を向けた。
…復讐に狂って人を追い込んでおきながら、思いを果たした途端に後悔の炎に焼かれて我を失う醜い餓鬼の姿…。
これが人間のなれの果てであり…人間誰もが持ち得る弱さであると…。
そして、愛があるからこそ人は憎しみの感情に焼かれ、苦しみ踊らされるという事を目の前に突き付けられた気分だった。

「ところでアンタら…どうやって繋がったんだ?『純愛ハンター』に依頼した事実は他言無用の約束の筈だ…」

お嬢が4人に問うと、今野マヒルが収まりかかった過呼吸を堪えながらゆっくり口を開いた。
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