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純愛ハンター
第2章 裁き2、ブスになる魔法
「あの…私ってブス…なんでしょうか…?」
「…」
「…」

依頼者の野波真保(21)は『純愛ハンター』の事務所に訪れるなり、不安げな面持ちで玲子とお嬢に言った。
玲子は面倒臭そうにため息をつくとデスクのへりにもたれ、お嬢はあ然として黙り込んだ。

「あっ!そんな事言われても『そうです』なんて答えられないですよね…気を使わせてスミマセン…ブスのクセに…」

玲子は死んだ魚のような目で言った。

「…ざっくりした依頼内容はメールで聞いてたけど、想像以上だね…」
「え…やっぱり…」
「コレってコント?で、アンタって芸人?芸風はイラつかせ芸?」
「ちょっと、玲子…」
「私…やっぱりブスなんですね…」

苛立ちをあらわに玲子が小柄で幼児体型の野波に詰め寄ると、

「…でさぁ?私たちが何て答えれば満足するの?『なかなかのブスっぷりですね~!』とか言えば納得するわけ?」
「あ…」

萎縮した表情で思わず後ずさりした。

「つまり…アンタに聞きたいのは…果たして私をからかってんのかどうかって事なんだよ!イライラすんのよ!アンタみたいな女って!」
「玲子!落ち着いて…」

野波に詰め寄る玲子をお嬢が制した。

「お嬢っ!アンタに発言権は無いって何度言ったら分かるんだ?」
「スイマセン…面倒くさい事聞いた私が悪いんです…」
「コレくらい私に答えさせて…」

だが、お嬢は強引に口を挟んだ。

「野波さん、あなたってどう見てもかなり可愛いのよ…アイドルグループとかにいそうなくらい…」

事実、野波はヘアクリップでまとめただけの栗色のセミロングが野暮ったい印象を与えるものの、大きなタレ目と筋の通った小さい鼻と肉厚な唇が小顔にキレイに収まったいわゆるアイドル顔だった。

「じゃあ私、ブスじゃないんで…キャッ!」

玲子はガーン!とデスクを強く蹴った。

「アンタって奴はまどろっこしいっ…!」
「玲子!」
「実は最近…もしかしたら私はブスじゃないんじゃないか~?って事に気付いた部分もあって…」
「だ・か・ら・ぁ…そういう遠回しな言い方が気に喰わないんだよ!子パンダみたいな愛くるしい顔しやがって!」
「の、野波さん!とりあえずそこ座って…」
「あっ…はい…スミマセン…」

お嬢に促されてソファに座った野波の目の前に、玲子はミネラルウオーターのペットボトルをドン!と乱暴に置いた。
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