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純愛ハンター
第1章 裁き1、中出し野郎に愛のフタを
玲子は窓際の真っ赤なチェアーに深くもたれると、ノートパソコンと古びた赤ワインのボトルとグラスが2つ置かれた真っ赤なデスクの上に、ヒールを履いたまま足を投げ出した。デスクの向かい側の壁には、

【返せというほど子供じゃないが、笑って済むほどスレちゃいない
それを乙女と呼ぶならば、せめて取りたい純愛のアダ
のたれてちぎれて死にさらせ、それが切なる乙女の祈り】

とクセのあるアーティスティックな毛筆で書かれた和紙が貼られており、玲子は吊り上がった切れ長の目でそれをジっ…と睨み付けた。

(…法で裁けない純愛の殺人はキッチリ裁いてやる!私ら『純愛ハンター』がね…)

そして焦れた様子で足先を左右に揺らし、ヒールの先でワインボトルをカンカン…とつついた。

「お嬢ーっ!何やってんの?早くしてよぉ…!乾杯するよ!」

玲子のハスキーな声が事務所内にワァン…と反響した。
すると2階の別室から、玲子よりやや年下と思われる長い黒髪に緑色のカチューシャを付けた童顔で目の大きな女性がオドオドと顔を出した。
女性は慌てた様子でロングのフレアスカートの裾をなびかせながら、なだらかなスロープを駆け降りて玲子の待つ1階へ向かった。

「ごめんなさい…モニターの設定がなかなか上手くいかなくって…」
「そういうのは明日でイイんだよ!事務所開きの乾杯の方が先だ…」
「そうね…」

その時、ノートパソコンから通知音が鳴った。
玲子はパソコンの画面を一瞥するとニヤリ…とほくそ笑み、デスクから足を降ろして立ち上がった。

「ふっ、早速依頼が入って来てるなんて幸先良いじゃないか…ねぇ?お嬢」
「あ、うんっ…はい…」

玲子はワインのボトルを手に取ると、コルクにワインオープナーの先端を無造作にねじ込んだ。

「あっ、私がやるわ…」

お嬢がワインボトルに手を伸ばすと、玲子は手をかざして制止した。

「このワインの赤は私の血の赤なんだ…私の純情が傷付いて死んでいった時に流した血のね…だから自分で開けたいんだ…分かるだろぉ?お嬢…」
「う、うん…ゴメン…」

コルクを抜いた玲子はグラスにワインを注ぐと、柔らかく微笑みながらグラスを手に取った。お嬢も様子を伺いながら一瞬遅れてワイングラスを手に取る。
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