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純愛ハンター
第3章 裁き3、家族のような職場です
3日後の午後11時過ぎ。
今野は、逮捕前まで勤務していたファミレスの事務室の中で…

「な、何してんだ…お前…」

1人で残務処理をしていた三塚の喉元に無言で包丁を突きつけていた。

「ね、この包丁…どうやって作られたか知ってる?」
「はぁ…?」
「私の地元に大っきな産業廃棄物処理場があってね…『北日本のスモーキーマウンテン』なんて呼ばれてんだ」
「それが…どうしたんだよ…」
「そこには全国から集められた“使えない”電気製品とかが送られてきて、コレはそこで作られた包丁なの…」
「話が…見えねえよ…」
「…だから、店長みたいな“使えない”クズ野郎が自らをリサイクルしたい!って思って私と一緒に働く気になったって聞いた時は…すっごく嬉しかったんだ…」
(何だコイツ…メンがヘラってんのか?売りに出しちまうか…)

三塚が汚物を見るような目線を今野に投げかけた瞬間、
ガコッ…!

「うぁっ…!い、痛てっ…」

今野は包丁の背を力任せに振り下ろすと、三塚は頭頂部から顔にかけて血をダラダラと流してうずくまった。

「やっぱりこの包丁良く出来てるわぁ…」
「そうでしょう…弊社はリサイクルという仕事にプライドを持っておりますので…」
「だ…誰だ…?あんたら…」

すると今野の背後から目の下に真っ黒いクマを浮かべた、痩せ型で身長190cmはゆうに超える2人の男が現れた。

「この人達は『めいくりんドリームランド』の人事の人達…あ、『めいくりん』ってのは“メイク”と“クリーン”を合わせた造語で…地元の一般公募で選ばれたネーミングなの」

する、片方の男が警棒を三塚の鼻めがけて振り抜いた。

「ぶぐっ!あうあぁっ…!」
「コレも産廃で作られた警棒…これだけ強く振っても曲がらないのよ…」

続けざまにもう1人の男が三塚の喉元にスタンガンを押し当てると、

「あおぉうっ…?」

パチっ…!とはじける音とともに三塚の身体が大きく跳ね上がり、糸の切れた操り人形のように床へ崩れ落ちた。

「コレも産廃で作ったスタンガン…小さい出力で確実に…って、もう聞こえてないかなぁ…んはぁっ…」

今野は気を失って動かなくなった三塚の姿を、鼻を膨らませて興奮した面持ちで見下ろした。

「じゃあコレをマイクロバスに…お願いします…」

2人の男は三塚の身体を抱え上げると、ヨロつきながら事務室の外へと運び出した。
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