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完熟の森
第18章 溺れる
雫はテラスでニットのストールを巻いて、カップを両手で持ちカフェオレを飲んでいた。


「千晶、遅かったね」


「一度、家に帰ってた」


雫は黙って立ち上がり、僕の胸に寄り添った。


「千晶、あったかい」


僕を待っていてくれた事が嬉しくて、寄り添う雫に僕の胸がぎゅっとした。


今、僕を求めてくれている雫にそれをどう伝えていいか言葉が見つからない。


だから僕は抱き締めるだけだった。



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