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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第9章 月夜に、輝く池のほとりで
 何しろ、もうひと月以上ほど前の出来事になる。今更、その程度で呼び出されるのも納得できない話ではある。しかし、納得できないのはセリョンだけで、あちら側は呼び出す正当な理由があるからこそ呼び出すのだろう。




 それにしても、後宮というのはよほど暇な場所らしい。もっとも、女官は日がな雑用に追われて、座って休む時間さえない有り様だ。とはいえ、大妃ともなれば、かえって〝すること〟を見つけるのに苦労するほど暇が有り余っているのかもしれない。何しろ、良人である先王は廃位され、御子もいない淋しい境涯のひとである。
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