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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第12章 少女も歩けば事件に当たる
 板の間から続く狭い厨房―辛うじて煮炊きがでる程度の土間―を覗いてみても、娘の姿はなかった。それならと最後に居室を見ても、やはり人影はない。使い古した文机は彼自身が昔、使ったものだ。脚が一本折れているのを妻があり合わせの木ぎれを継いで布で縛っているため、やや傾いている。
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