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第25章 波乱の予感

　二人が嘉礼(カレ)を行ったのは一年半前になる。既に新婚と呼ばれるほど最近のことではないのに、いまだに二人は蜜月のただ中にいるようで、その仲睦まじさは側に控える謹厳な年配の内官長や尚宮も微笑まずにはいられないほどだ。




　王妃の視線を辿れば、そこには小さな花をたくさんつけた花穂が春の風に揺れていた。小さな花は淡いピンク色、眼にも眩しい赤色、優しげな黄色と色も豊富である。