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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第25章 波乱の予感
「姫金魚草がたくさん咲いたわ」


 視線とは裏腹に、セリョンの呟きはどこか虚ろだ。そんな妻を英宗は気遣わしげに見た。


「また、あの子のことを思い出しているのか?」


 セリョンはかすかに笑んだ。



「忘れようとしても、どうしても忘れられないのよ」
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