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第25章 波乱の予感

　口調に滲むあまりにも淋しげな響きに、英宗は口をつぐむ。そう、初めての懐妊が判明したのは婚礼を挙げて八ヶ月後だった。正妃たる中殿を母として生まれる初めての御子である。宮殿中が歓びに溢れたのも束の間、セリョンは四ヶ月後、流産してしまったのだ。それまでは妊娠経過も順調で、悪阻といえるほどの悪阻もなく、王妃を診ていた内医院の医官も予測できない事態であった。