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第25章 波乱の予感

　常識知らずなのは、どちらなのかと言わんばかりの大使の言葉に、ついに英宗の忍耐心も限界が来た。






「今まで貴国は幾度となく我が国に対して無理難題を押しつけてきた。我が国の屈辱の歴史は、朕だけでなく歴代王の御心にも、我が国の民の心にも余すところなく刻み込まれている。されど、今度ばかりはこのような屈辱を甘んじて受けるわけにはゆかぬ。既に王妃がいるものを、後から皇女を押しつけてくるとは、貴国は一体、我が国をどこまで愚弄するおつもりか」