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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第32章 清浄華(しょうじょうか)
 ふいに漆黒の闇にポツリと小さな灯りが点った。かと思うと、次々に小さな灯りが点り、無数の光の球(たま)が闇を舞い始める。




―蛍だわ。




 セリョンは眼を瞠った。この池のほとりに蛍が棲息しているのは知っているけれど、光の群舞が見られるのは滅多にない。たまにポツリポツリと闇に浮かぶ光を見る程度のものだ。
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