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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第35章 第二話【炎月~紫苑の花の咲く頃には~】
~「朝鮮の王妃よ、朕と共に清国に来ないか?」
美しき中殿キム氏は大国清の皇帝の心さえ動かした!~

「王宮の陰謀」第二部第二話。
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本文より抜粋

とはいえ、そろそろ帰る刻限が迫っていた。秋の陽が傾くのは早い。弱くなってきた陽差しに眼を眇め、皇帝が呟くように言った。
「そなたは平気なのか?」
 え、と、首を傾げたセリョンに皇帝はもう一度、ゆっくりと言った。 え、と、首を傾げたセリョンに皇帝はもう一度、ゆっくりと言った。
「儂と二人きりで都から離れた場所に赴いて、どうなるかは考えなかったと?」
 意味ありげな科白に、セリョンはわずかに頬に熱が上るのを意識した。皇帝は十日前のあの密事について言っているのだ。
 しかし、ここで狼狽えた様を見せるのは余計にまずいだろう。何より、セリョンはもう後ろは振り向かないと決めた。
「陛下と私だけではありません。護衛たちもいます」
 皇帝が重ねて言った。
「そういう意味ではないのは、そなたも判っておろう。それに、あやつらは儂のすることに逆らいはすまいよ。たとえ朝鮮側の者であろうが、儂がそなたを欲しいと望めば、止められぬ。王妃よ、そろそろ陽も落ちる。儂は今宵は都に戻らず、ここに泊まっても良いのだぞ? 今度こそ商館では果たせなかったことを果たしたい。そなたを抱きたいのだ、セリョン」
 皇帝は依然としてセリョンを見ようとはしない。はるかなまざしは、寺を取り巻く塀の向こう、錦秋に染め上がった連山を見つめている。この寺は真冬は向かいにそそり立つ急峻からの吹き下ろしで、寒風が吹き雪に埋もれる。
 今は山々は赤や黄色の鮮やかな紅葉に染められ、穏やかな姿を見せている。そろそろ傾いてきた秋の太陽が美しい絹織物のような山肌をいっそう温かな色に見せていた。
 肌がそそけ立つような沈黙が落ちる。
「―と申したら、そなたはどうする?」
 唐突に発せられた皇帝のひと言に、その場に漲っていた緊張が俄に緩んだ。
 セリョンは努めて平静な口調で言った。
「私は国王殿下を裏切りません。何より、あの日の出来事に深い意味を持つなと仰せになったのは陛下ご自身ではありませんか」
 皇帝が低い声で笑った。

次ページに続く
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