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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第37章 訪問者

冷たい怒りを閃かせる公望の瞳は、今までとは別人のようだ。セリョンは続けた。
「私も一時期、良人の愛を失ったと思う時期があったの。他に好きな女性ができて、私はもう要らない存在になって、むしろ、新しい女性と彼の間の邪魔をするだけだと思ったら、とても哀しかった。でも、おじいさん、聞いて。良人に嫌われたと思っても、私、自分を不幸だとは少しも思わなかった。むしろ、大好きな男と出逢えなかった運命を想像した方がよほど怖かった。たとえ良人にとって不要な存在になったとしても、彼と出逢えただけで幸せだと思えたの」
「私も一時期、良人の愛を失ったと思う時期があったの。他に好きな女性ができて、私はもう要らない存在になって、むしろ、新しい女性と彼の間の邪魔をするだけだと思ったら、とても哀しかった。でも、おじいさん、聞いて。良人に嫌われたと思っても、私、自分を不幸だとは少しも思わなかった。むしろ、大好きな男と出逢えなかった運命を想像した方がよほど怖かった。たとえ良人にとって不要な存在になったとしても、彼と出逢えただけで幸せだと思えたの」

