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第37章 訪問者

　公望が渦巻く感情を隠すように眼を伏せた。





「愚かな男だ。そなたほどの女を嘆き哀しませるとは。そなたの良人ならば、まだ年若く血気盛んな若者であろう。男とは時に若気の至りで、昨日はあの花、今日はこの花と目移りするものだ。さりとて、セリョンのような良い女であれば、男は必ず最後にはそなたの許に帰る。若い中は良人の浮気も多少は大目に見て、ゆったりと構えなさい」