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第56章 蒼い果実の日々

　だが、と、紅順は思う。宮殿は広大とはいえ、自分と母王妃は間違いなく一つ屋根の下に暮らしているというのに、何故か物心ついた時分から、紅順は母と自分の距離は遠いと感じていた。共に暮らしながら、王妃という特別な地位にある母は、紅順には、はるか彼方にいる存在だった。いつも側に居る朴尚宮の方がよほど〝母娘〟らしい絆を感じられる。