この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第7章 漆黒の夜桜

内官は大きな息を吐き出した。ここは広い王城内でも奥まった部分、いわゆる後宮と呼ばれる区域である。言わずと知れた王の女たちが集められている場所だ。
とはいえ、現王英宗は二十歳、いまだ定まった妃はおらず、正妃どころか側妃さえいない状態だから、後宮はがら空きだ。中殿(チュンジョン)と呼ばれる王妃がいない現在、後宮の長は三代前の王の中殿であった大王大妃(テーワンテービ)であり、次が先王、つまり英宗の兄晋山君の妻たる大妃である。
とはいえ、現王英宗は二十歳、いまだ定まった妃はおらず、正妃どころか側妃さえいない状態だから、後宮はがら空きだ。中殿(チュンジョン)と呼ばれる王妃がいない現在、後宮の長は三代前の王の中殿であった大王大妃(テーワンテービ)であり、次が先王、つまり英宗の兄晋山君の妻たる大妃である。

