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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第7章 漆黒の夜桜
 内官は小首を傾げた。殿舎の前のこじんまりとした庭の片隅に桜が植わっている。四月の初め、桜は満開であった。漆黒の闇の中で、満開の桜は遠目でもほの白く輝いて見える。彼は吸い寄せられるように、桜に近づいていった。





 桜に近づいたその瞬間、彼は見てはならないものを見てしまった。
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