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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第7章 漆黒の夜桜
 時折、風もないのに桜貝のような花片が気まぐれにはらはらとちり零れる。




 彼は桜の下に倒れていた女の顔を思い出した。むろん、見たことはない女官だが、まだ二十歳になるかならないかのうら若い女であった。恐らく彼自身の一番上の娘と同じ年頃ではないか。
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