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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第7章 漆黒の夜桜

そして、そんな朝は決まってセリョンの愛らしい顔は〝大熊猫〟になっている。
「小難しげな本のどこが面白いのか、あたしには皆目わからないね」
女将が肩を竦める。セリョンはここぞとばかりに主張した。
「おっかさんも読んでみれば良いのよ。それに、私が今、読んでいるのは、そんな難しいものじゃないの。恋愛小説なのよ、〝夜桜心中〟という題でね。愛し合っている二人が許されない恋をして、最後は桜の樹の下で心中するという哀しいお話なのよ」
「小難しげな本のどこが面白いのか、あたしには皆目わからないね」
女将が肩を竦める。セリョンはここぞとばかりに主張した。
「おっかさんも読んでみれば良いのよ。それに、私が今、読んでいるのは、そんな難しいものじゃないの。恋愛小説なのよ、〝夜桜心中〟という題でね。愛し合っている二人が許されない恋をして、最後は桜の樹の下で心中するという哀しいお話なのよ」

