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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第8章 潜入~後宮のおんなの哀しみ~
―もしかして、接吻(キス)される?





 確か、こういう場合は眼を瞑るものではなかったか? 我が身としては口づけなどいまだ未経験ではあるが、そこは妓房で育った娘である。妓生たちが一夜を客と過ごし、翌朝、後朝(きぬぎぬ)の名残を惜しみ人知れず抱擁し、口づけを交わしている光景なら何度も見たことがある。
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