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復讐の味は甘い果実に似て
第8章 復讐の行方 ~明日香の告白~
「本当にそう思うなら、もう一度、復讐と、恵梨のお別れを受けてくれませんか?」
えっ? という声とともに、先輩が顔を上げた。
「先輩と恵梨、ひかるとわたしの4人で、2泊の旅行に行くんです。1日目は、復讐です。恵梨の前で、わたしとひかるを抱いてください。それで、恵梨にはすっぱり先輩への未練を断ってもらいます。2日目は恵梨と先輩にお任せします。どんな形でもいいから、きちんとわたしとひかるの前で、恵梨とお別れしてください。」
「……君たちはそれでいいのか?」
「いいも何も、問題は先輩自身に、恵梨と、恵梨と過ごした過去に、きちんとケリをつける勇気があるかどうかでしょう。違いますか?」
「……その通りだな。……わかった。君の話に乗ろう。お金も僕が出すよ。都合のいい日取りを教えてくれれば、宿もこっちで押さえておく。」
わたしは先輩が了解してくれたことに安堵した。
一番やっかいなのは、この人だと思っていたのだ。
お金のことまで配慮してくれたことに、わたしは助かります、と言って、頭を下げた。
「しかし、妙な話だな。君たちの方から復讐の続行を言い出してくるなんて。」
「女としてのプライドの問題です。女二人がかりで、一人の男の心も変えられないなんて、女の沽券にかかわりますから。」
わたしはできるだけ凛とした口調で言った。
「ま、君らしい考え方かもな。彼氏には同情するけどね。」
「同情? 違いますよ。尊敬してください。わたしみたいな面倒くさい強情な女を、体から心まで、何もかもきちんと愛してくれているんですから。」
わたしはそういうと、ニヤリと笑ってカフェの階段を下りて行った。
えっ? という声とともに、先輩が顔を上げた。
「先輩と恵梨、ひかるとわたしの4人で、2泊の旅行に行くんです。1日目は、復讐です。恵梨の前で、わたしとひかるを抱いてください。それで、恵梨にはすっぱり先輩への未練を断ってもらいます。2日目は恵梨と先輩にお任せします。どんな形でもいいから、きちんとわたしとひかるの前で、恵梨とお別れしてください。」
「……君たちはそれでいいのか?」
「いいも何も、問題は先輩自身に、恵梨と、恵梨と過ごした過去に、きちんとケリをつける勇気があるかどうかでしょう。違いますか?」
「……その通りだな。……わかった。君の話に乗ろう。お金も僕が出すよ。都合のいい日取りを教えてくれれば、宿もこっちで押さえておく。」
わたしは先輩が了解してくれたことに安堵した。
一番やっかいなのは、この人だと思っていたのだ。
お金のことまで配慮してくれたことに、わたしは助かります、と言って、頭を下げた。
「しかし、妙な話だな。君たちの方から復讐の続行を言い出してくるなんて。」
「女としてのプライドの問題です。女二人がかりで、一人の男の心も変えられないなんて、女の沽券にかかわりますから。」
わたしはできるだけ凛とした口調で言った。
「ま、君らしい考え方かもな。彼氏には同情するけどね。」
「同情? 違いますよ。尊敬してください。わたしみたいな面倒くさい強情な女を、体から心まで、何もかもきちんと愛してくれているんですから。」
わたしはそういうと、ニヤリと笑ってカフェの階段を下りて行った。