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第9章 さよならという儀式　～ひかるの告白～

　帰りの電車のなかで、あたしたちには、少しだけ笑みが戻っていた。
　恵梨もサークルに戻ることを約束して、明日香を喜ばせた。

「これから、就活が忙しくなるまで、恵梨にはガッツリ練習付き合ってもらうからね。足腰立たなくなるまで練習につき合わせて、もう、男遊びなんかできないようにしてあげるから。」
　明日香が言い、恵梨が笑った。

　そして、大学の最寄り駅であたしたちは解散し、恵梨は自分のアパートに帰っていった。
「明日香も、もう帰る？」
　あたしはバス停のほうに歩きながら、明日香に聞いた。

「まだ、帰れないよ。わたしは浩二のところに行かないと。多分、わたし、今日は、朝まで寝かせてもらえないんじゃないかなあ。……『事後報告』で。」
「はああ……そっちも大変だねえ。まだ、浩二くんとがんばっちゃうんだ……。」
　あたしの言葉に少しだけ、明日香が顔を赤くした。