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銀行員 有田雄一、私は「女」で出世します
第2章 小鹿大樹
≪スワッピング体験≫
「有田さん?」
2日後、営業の途中、スマホが鳴った。やはり簡単には解放してくれない。相手はママの久美子からだった。
「あのさあ、明日の夜、付き合ってちょうだい」
「え、明日ですか…」
「そうよ、午後8時に千駄木の駅で。いいわね?」
「あ、いや…」
「無理なら、ダンナから銀行に電話するけど?」
久美子もダンナの小鹿大樹も本当は何者なのか、全く分らない。悪人とは思えないが、深入りしたくない。だが、こうなったら断ることなど出来ない。
「そ、それは困ります、わ、分りました。午後8時ですね」
「そうよ、よろしく」
翌日、千駄木の駅では久美子が待っていた。
「ふふふ、時間通り。やっぱり銀行員ね」
何が「銀行員」だ。そんなことを言われても、笑顔なんて出てこない。
不貞腐れる有田のお尻をポンポンと叩いたママは「あなたを脅かすつもりなんかないのよ」と言ってタクシーを捕まえると、とあるマンションに彼を連れて行った。
「おお、有田、よく来た、よく来た」
迎えるダンナの小鹿大樹は既にパジャマになっていた。
いったい何をするつもりだ?有田が開いたドアの中を覗き込むと、むせかえるようなローズの香りが漂ってきた。「遠慮するな」と背中を押され、中に入ると、タオル地のガウン姿の男女3組がリビングに集まっていた。
白髪の男と若い水商売らしい女のアンバランスな組み合わせ、ラフなジャケットの男と小太りの女はともに40代、そして、もう一組はスーツを着た男と髪の長い女、こちらは二人とも30代らしい。年齢層は様々だが、雰囲気は限りなく妖しい。
「有田さん?」
2日後、営業の途中、スマホが鳴った。やはり簡単には解放してくれない。相手はママの久美子からだった。
「あのさあ、明日の夜、付き合ってちょうだい」
「え、明日ですか…」
「そうよ、午後8時に千駄木の駅で。いいわね?」
「あ、いや…」
「無理なら、ダンナから銀行に電話するけど?」
久美子もダンナの小鹿大樹も本当は何者なのか、全く分らない。悪人とは思えないが、深入りしたくない。だが、こうなったら断ることなど出来ない。
「そ、それは困ります、わ、分りました。午後8時ですね」
「そうよ、よろしく」
翌日、千駄木の駅では久美子が待っていた。
「ふふふ、時間通り。やっぱり銀行員ね」
何が「銀行員」だ。そんなことを言われても、笑顔なんて出てこない。
不貞腐れる有田のお尻をポンポンと叩いたママは「あなたを脅かすつもりなんかないのよ」と言ってタクシーを捕まえると、とあるマンションに彼を連れて行った。
「おお、有田、よく来た、よく来た」
迎えるダンナの小鹿大樹は既にパジャマになっていた。
いったい何をするつもりだ?有田が開いたドアの中を覗き込むと、むせかえるようなローズの香りが漂ってきた。「遠慮するな」と背中を押され、中に入ると、タオル地のガウン姿の男女3組がリビングに集まっていた。
白髪の男と若い水商売らしい女のアンバランスな組み合わせ、ラフなジャケットの男と小太りの女はともに40代、そして、もう一組はスーツを着た男と髪の長い女、こちらは二人とも30代らしい。年齢層は様々だが、雰囲気は限りなく妖しい。