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銀行員 有田雄一、私は「女」で出世します
第1章 スナックのママ
≪据え膳喰わぬは≫
「あら、榎本さんは?」
「はい、今、帰りました」
「そう、お疲れ様」
店内に戻ると、チャイナドレスのママがスツールに座って待っていた。
「ビールでも飲もうかしら?」
「あ、いや、私は」
「少しくらいいいじゃない。付き合ってよ」
ママにスーツをツンツンと摘まれたら断れない。有田がソファーに座ると、ママは足を組み直す。スリットが割れ、太腿の上の方まで露になった。
「水割りでいいかしら?」
「え、あ、はい」
既にテーブルにはウィスキー、水、氷にグラスが用意してある。
「はい、それでは、カンパイ」
「ありがとうございます」
ママは一口だが、喉が渇いていた有田はそれをグイッと飲み干した。
「あら、凄い。お強いのね」
「いえ、それよりも、旨いなあ…」
「そうよ、お客さんとじゃ、酔えないもの。はい、お代わり」
「あ、どうも」
ママが2杯目を用意した。
「お名前は?」
「あ、ごめんなさい。有田です」
この店は初めて。接待の席では、主役が吉田社長だったから、ママは名前を尋ねなかった。
有田が名刺を差し出すと、「頂戴いたします」と両手で受け取ったが、直ぐには仕舞わず、チラチラと有田の顔を見た後、チュッとそれにキスしてからバッグに入れた。
「あら、榎本さんは?」
「はい、今、帰りました」
「そう、お疲れ様」
店内に戻ると、チャイナドレスのママがスツールに座って待っていた。
「ビールでも飲もうかしら?」
「あ、いや、私は」
「少しくらいいいじゃない。付き合ってよ」
ママにスーツをツンツンと摘まれたら断れない。有田がソファーに座ると、ママは足を組み直す。スリットが割れ、太腿の上の方まで露になった。
「水割りでいいかしら?」
「え、あ、はい」
既にテーブルにはウィスキー、水、氷にグラスが用意してある。
「はい、それでは、カンパイ」
「ありがとうございます」
ママは一口だが、喉が渇いていた有田はそれをグイッと飲み干した。
「あら、凄い。お強いのね」
「いえ、それよりも、旨いなあ…」
「そうよ、お客さんとじゃ、酔えないもの。はい、お代わり」
「あ、どうも」
ママが2杯目を用意した。
「お名前は?」
「あ、ごめんなさい。有田です」
この店は初めて。接待の席では、主役が吉田社長だったから、ママは名前を尋ねなかった。
有田が名刺を差し出すと、「頂戴いたします」と両手で受け取ったが、直ぐには仕舞わず、チラチラと有田の顔を見た後、チュッとそれにキスしてからバッグに入れた。