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置屋に生まれて
第2章 童貞喪失
浴室から戻ると、明彦は客間に敷かれた布団に全裸のまま仰向けに寝かされた。
(ゆっくりしてこいって、こういうことなのか・・)
出掛けに父親が言ったことを思い出していると、スーと襖が開き、浴衣を羽織った増子が入ってきた。微かに香水の匂いが漂ってくる。
「ごめんね、お化粧直していたから」
「あ、いえ・・」
明彦は緊張で舌が絡まり、言葉が出てこない。
増子は部屋の灯りを小さくすると、浴衣を肩から外し全裸になった。そして、それを衣紋掛けに吊るすと、明彦の隣りに添い寝の形で横たわった。
「増子さん」
明彦が寝返りをして、彼女の方を向くと、増子は両手で包み込むように明彦の体を抱き締めた。
「明彦ちゃん、心配せんでええよ。うちがあんじょうしてあげるさかい」
それからのことは、何もかも初めて。今、思い出しても股間が熱くなる。
増子が唇を合せてきた。
チュッ、チュッ・・
角度を変え、また唇を合せる。明彦も夢中で吸い返し、何度も口づけを交わす。まるで夢を見ているようだった。
「初めて?」
「うん」
「でも、とても上手」
増子が褒めてくれた。それは全くのお世辞だが、緊張していた明彦の気持ちを和らげるには十分な言葉だった。
「おっぱい」
「・・・」
明彦は増子の乳房に手を伸ばした。柔らかくて弾力がある。