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⊥の世界
第10章 家族計画
あの時のレイプ、もしくは、パニック障害の治療薬が原因で妊娠しにくい体、妊娠を維持出来ない体なのではないか。
2度目の流産の時に、医師から夫にだけ説明があったのではないだろうか。
夫は、私が傷つかないように、不妊治療を拒むのではないだろうか。
果たして、想像通りかどうか、話題にもできずにいるから、わからないのだけど、今でもそう思っている。
不妊治療をしないとなってから、あからさまに会話が減った訳ではない。
妊娠、子供に関する話題を避けるようになっていっただけ。
気分転換に出掛けようと、しょっちゅう旅行にいったし、あちこちに出掛けた。
夜の生活も急に減ったわけでもない。
夫の仕事が忙しくなったから?
決定的な何かが他にないからこそ、やっぱりそれが原因で、段々と夫婦の仲が冷めていったのだと思っている。
私が夫を責めている?
夫が私を責めていると私が思っている?
夫がどう思っているのか、減っていく会話の中で確認する機会を失い、段々、疑心暗鬼になってきて余計に会話が減っていく。
そんな中で寝室を別にするという夫の発言が、追い込むように夫婦仲を冷やしていったのだと思っている。
まだ、妊娠の可能性はある。
むしろ、今くらいから治療に取り組む人の方が多い年齢だ。
でも、夜の生活が皆無の状態で、それを望むことはできない。
寂しい。
ずっと、1人なのだろうか。
私の部屋を用意するときに、私専用のパソコンをプレゼントされた。そして、夫も自分専用のものを持っている。
私はそのパソコンで、⊥の世界に行く。
↓の世界の寂しさを紛らわす為に…………