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女忍者(くのいち)は誰かを好きになれるのか。
第1章 一里塚で
「胸元までさらしとは……。もしや、女か」
 
「おい、先に行くぞ」と低い男の声がした。ガサガサという草むらを踏む音が遠ざかる。
 
 さらしは現在の下着の機能を兼ねていた。男の固く大きな手にそれが引き下ろされる。胸の膨らみが搾り出されるようにさらしから溢れるのが分かった。脇の方に水袋のような自分の胸の重みを感じる。固い手のひらに胸の膨らみが包まれ、ヤワヤワと弄られる。

「……若えな。まだ十七、八というところか。惜しいなあ。モッチリした柔肌で、いい身体じゃねえか。まだ、温もりもあるし……」とかすれ声の男に股引の紐を引かれた。手馴れたように腹のところから男の冷たい手が忍び込んだ。
 
「ああ、餅のような柔らかい肌だよ」

 固い手のひらに腿が撫でられる。脚の間の茂みがふわっと揺れ、股引の中で腰巻が頼りなく捲れた。
 
(ああ、万事休す)
 
「あに……きっ……んぐぐっ……」
 
 小夜はかすれ声の男の口に手のひらをかざした。
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