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背徳 嫁と舅の淫望
第3章 異常な性の営み
 次第に、彩香のオナニーと芳雄の性欲の処理は夫婦の新しい秘め事になっていった。
 まだパソコンが使えた頃、芳雄はローターやバイブを購入して彩香に渡した。
 それが、夫の役割を果せなくなった芳雄に残された、せめてもの彩香への償いだった。
 しかし、その芳雄の償いは、彩香の身も心も満たしてはくれなかった。
 芳雄との交接を断った彩香はローターを使い始めた。
 しかし、幾度かのエクスタシーのあとに残るのは虚しさだけであった。

 哲司は芳雄の性欲の処理をする彩香に気づいたが、二人のそんな秘密まで、知る由もなかった。
 そして今、芳雄の病状はさらに進行し、性機能も奪い、残された聴覚も衰え、呼吸困難が日に日に増していたのだ。

 生きる屍になろうとしていた芳雄の最後に残された意思表示の手段は涙だった。

 芳雄の閉ざされた目じりから流れ出る涙が、残されたたった一つの感情の表現、意思疎通の手段となった。
 喜びも、悲しみも、怒りも、そして感謝も、一筋の涙となって目尻から流れ出るのだった。

  ある日、オナニーで気分を紛らわせた彩香はふと芳雄に触れた。しかし、芳雄に何の反応もなかった。その時、どうしたのかと芳雄の顔を見ると、その目から、微かに一筋の涙が流れていたのだ。
 動かすことも出来ず、じいっと天井を見つめる芳雄の目は悲しみを湛えているようにも見えた。
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