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背徳 嫁と舅の淫望
第1章 難病
息子の病気がまるで引き金になったように、二年前、今度は芳雄の母明美が乳がんに倒れた。
一家を次々に襲う病魔。とうとう彩香ひとりの肩に二人の介護がのしかかってきたのだ。
芳雄の父哲司は妻の乳がんが末期にを迎えると、還暦を目前に長年勤めた会社に辞表を提出した。
妻の明美が乳がんに倒れたことで、芳雄の介護には哲司の助けがなくてはならないものになっていた。
ALSは進行性の病。芳雄は全身の筋力が低下し、「痰」の除去、食事や排泄の介助と、その容態は昼夜を分かたぬ介護を必要とする時期に来ていたのだ。
こうして嫁と舅、二人の二人三脚の闘病の日々が始まった。
残念なことに明美は夫の退職を待つかのように、そのわずか三ヶ月後にこの世を去った。
哲司は妻の葬儀の日、参列していた彩香の両親を交え、嫁の将来について話し合った。
「今となっては幸いにも、二人には子がいない。それに彩香さんはまだ若い。息子と別れて新しい人生を歩んでほしい」
彩香の両親も頷いたが、彩香は頑なに離縁を拒んだ。
「そろそろモルヒネの投与も始まります。長くてもせいぜい一年か二年の命です。夫が逝けば嫌でも一人になれます。それまで一緒にいさせてください」
一家を次々に襲う病魔。とうとう彩香ひとりの肩に二人の介護がのしかかってきたのだ。
芳雄の父哲司は妻の乳がんが末期にを迎えると、還暦を目前に長年勤めた会社に辞表を提出した。
妻の明美が乳がんに倒れたことで、芳雄の介護には哲司の助けがなくてはならないものになっていた。
ALSは進行性の病。芳雄は全身の筋力が低下し、「痰」の除去、食事や排泄の介助と、その容態は昼夜を分かたぬ介護を必要とする時期に来ていたのだ。
こうして嫁と舅、二人の二人三脚の闘病の日々が始まった。
残念なことに明美は夫の退職を待つかのように、そのわずか三ヶ月後にこの世を去った。
哲司は妻の葬儀の日、参列していた彩香の両親を交え、嫁の将来について話し合った。
「今となっては幸いにも、二人には子がいない。それに彩香さんはまだ若い。息子と別れて新しい人生を歩んでほしい」
彩香の両親も頷いたが、彩香は頑なに離縁を拒んだ。
「そろそろモルヒネの投与も始まります。長くてもせいぜい一年か二年の命です。夫が逝けば嫌でも一人になれます。それまで一緒にいさせてください」