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背徳 嫁と舅の淫望
第6章  背徳へ 肉慾の誘い 
 哲司の企みは彩香にも分かっていた。
 二人の役割分担を彩香は心得ていたのだ。
 義父が離縁を口にするのは、本当は離縁を恐れているから。
 義父が新しい人生を口にするのは、本当は自分のそばにいて欲しいから。
 義父が部屋に篭もったのは、彩香がドアを開けるのを待っているのだ。

 そして彩香にはそのすべてが、義父の優しさ故のことに思えた。
 もし、義父が先に手を出したら・・・、もし、義父が彩香の寝室のドアを開けたらそれは強制になりかねないのだ。
 誰に見られているわけでもないが、それが舅としての哲司の節度。

 (だから、わたしがすべての扉を、わたしの手で開らく)

 彩香はゆっくりと風呂に浸かり、軽く寝化粧をし、仕舞ってあった新しい下着を身につけ、お気に入りのスカートとブラウスを着て、二階へ背徳の階段を上がった。
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