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背徳 嫁と舅の淫望
第6章  背徳へ 肉慾の誘い 
 抱きしめた彩香の裸身。
 鮮明に残るあの日の浴室の映像・・・・。
 股間の微妙な反応を両手で押さえ、哲司は布団を敷き、ガラス戸を開けた。
 寝静まった夜空に星が瞬いていた。
 哲司は、その夜空のはるか彼方に息子の顔を見た。
 
 その日、病院で芳雄を診た医師は、あまりにも急速な病状の進行に驚いていた。
 もはや、経過観察の必要もない末期。

 「後はお任せください」

 医師の言葉に、二人は深々とお辞儀をした。

 「宜しくお願いいたします」

 それは、芳雄にとって死の宣告だった。
 しかし、すでに廃人と化した芳雄にとって、「死の宣告」こそ、最後の救いなのだ。

 「ご安心ください。経過を見ながら、できるだけ苦しまないように処置致しますから」

 重苦しい病院でのやり取りを振り払うように、哲司は雨戸を閉めた。
 もう、息子は死んだ。本当の死を待つ前に、もう、息子は死んだのだ。
 ここまで来て、さらに彩香を待たせるのか・・・。
 それはあまりにむごい。
 彩香が、それを望むなら、叶えてやることが、自分の務め・・・。

 都合のいい言い訳だけが哲司の脳裏を支配する。
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