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もうLOVEっ!ハニー!
第1章 生まれ変わり
「いじめのない高校生活を送りたいなら、早乙女こばるを連れて歩けばいい。美弥でもいいかな。あの辺の連中は学園でも結構イイ位置にいるから。奈己はお勧めしない。あいつは仲間でも喰う怖い男だからな。亜季は無視していい。あいつはオカマだ」
つい笑ってしまう。
オカマの言い方が滑稽で、愛があったから。
隆人が眉を上げる。
「んー。笑顔はいいね、かんなちゃん。君の武器にしたらいい。大丈夫。入学式なんて怖がらないで胸張っていい。ここは今までとは違う世界だ。それを望んで来たんでしょ?」
ゆっくりと。
浸みるように。
私の心を見抜いた言葉。
「……はい」
それしか言えません。
隆人は満足げに頷く。
「来週には残りの二人もやってくる。曜日はバラついてたかな。とにかく、年上連中は優しいから仲良くしとけばいい。付き合い方がわからなかったら美弥のそばにいればいい。あいつはみんなの中心にいる。無理に襲ったりはしないしな。意外に硬派なんだ」
頬が持ち上がるのを感じる。
一つ一つの言葉が温かい。
この管理人さんは、一人一人を凄く理解しているようです。
父親ってこんな感じなのでしょうか。
「ちなみにかんなちゃんの部屋は角部屋だ。向かい側に新入生が入る。数少ない同級生は慎重にな。なにかあったら僕か……女医か、陸に言うといい。相談役にはあいつは最適だ。おっと。説明ばかりしてても仕方ないし、ここでかんなちゃんがぶっ倒れたら大変だから早く治療するか」
ぽんと手を打って、扉を開く。
視界に現れた長身の女性に声が上がってしまう。
「悪趣味だな。聞いてたの?」
扉のすぐ前にいる彼女がぎろっと隆人を睨む。
「患者を待たせんじゃないわよ。私の仕事が増えるだけでしょ」
またきつそうな方です。
緊張していると、こちらを見て、天使のように優しく微笑む。
「はじめまして、松園さん。私は寮の専門医、榎平鳴海よ。なる先生って呼んでね。奈己がいるからややこしいから」
なにがややこしいかよくわかりませんが、頷きます。
マニキュアで飾られた指に誘われ、中に入る。
むっと香水の匂い。
厭ではありませんが、酔いそうです。
百合でしょうか。
甘い、脳までくる香り。
「痛そうね、それ」
隆人も後から入ってくる。
つい笑ってしまう。
オカマの言い方が滑稽で、愛があったから。
隆人が眉を上げる。
「んー。笑顔はいいね、かんなちゃん。君の武器にしたらいい。大丈夫。入学式なんて怖がらないで胸張っていい。ここは今までとは違う世界だ。それを望んで来たんでしょ?」
ゆっくりと。
浸みるように。
私の心を見抜いた言葉。
「……はい」
それしか言えません。
隆人は満足げに頷く。
「来週には残りの二人もやってくる。曜日はバラついてたかな。とにかく、年上連中は優しいから仲良くしとけばいい。付き合い方がわからなかったら美弥のそばにいればいい。あいつはみんなの中心にいる。無理に襲ったりはしないしな。意外に硬派なんだ」
頬が持ち上がるのを感じる。
一つ一つの言葉が温かい。
この管理人さんは、一人一人を凄く理解しているようです。
父親ってこんな感じなのでしょうか。
「ちなみにかんなちゃんの部屋は角部屋だ。向かい側に新入生が入る。数少ない同級生は慎重にな。なにかあったら僕か……女医か、陸に言うといい。相談役にはあいつは最適だ。おっと。説明ばかりしてても仕方ないし、ここでかんなちゃんがぶっ倒れたら大変だから早く治療するか」
ぽんと手を打って、扉を開く。
視界に現れた長身の女性に声が上がってしまう。
「悪趣味だな。聞いてたの?」
扉のすぐ前にいる彼女がぎろっと隆人を睨む。
「患者を待たせんじゃないわよ。私の仕事が増えるだけでしょ」
またきつそうな方です。
緊張していると、こちらを見て、天使のように優しく微笑む。
「はじめまして、松園さん。私は寮の専門医、榎平鳴海よ。なる先生って呼んでね。奈己がいるからややこしいから」
なにがややこしいかよくわかりませんが、頷きます。
マニキュアで飾られた指に誘われ、中に入る。
むっと香水の匂い。
厭ではありませんが、酔いそうです。
百合でしょうか。
甘い、脳までくる香り。
「痛そうね、それ」
隆人も後から入ってくる。