この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
もうLOVEっ!ハニー!
第15章 何も叶えぬ流星群

 夏休みが始まり、一週間。
 先輩と三度目のデートです。
 といっても図書館なのですが。

「学園の図書室は司と清がおるからなあ。移動もったいないけどごめんな」
 バスで十五分ほどの場所にある市営図書館に到着。
 学園の同級生に見つかる可能性もあるが、学習スペースで隣席なら問題ないだろう。
 カードの登録を済ませる間、新刊小説コーナーを眺める岳斗をちらりと見る。
 今日は紺色の七分丈のシャツに、黒のダメージジーンズ。
 腿に数本傷が入っているだけなのに、なんだか目が惹かれてしまう。
 自分はとガラス扉に目をやれば、ピンクゴールドのボタンが並んだストライプの薄桃の半袖シャツに、ベージュのチノパン、白のスニーカー。
 見合ってるかな、とばかり考えてしまう。
「おまたせしました。それでは、次回からこちらのカードでお入りください」
「あ、はい。ありがとうございます」
 名前の印字されたカードを受けとり、そそくさと新刊コーナーに向かう。
 何を見ていたかと思えば、ドラマ化で話題の密室パニックゾンビ小説。
 デスゲームで集められた七人が謎を解くごとに、メンバーが一人ずつゾンビ化していく話。
 予告だけで仕入れた知識で、手に取る気も起きずにそっと岳斗の隣に並ぶ。
「おう、終わったん? 二階の学習室行こ」
「はい」
 トントンと螺旋階段を上る。
 明るい日差しがたっぷり天窓から入る学習室は、日向ぼっこ気分になりそうな暖かさ。
 入口のホワイトボードに並んだ机の図を見て、使用するテーブル番号に使用中の緑のマグネットを貼る。
 二席並んで空いていたのは左の端の後列で、入口に近いテーブル。
 代わりにふたつ貼ってくれてから、手招きする。
「中はイヤホンは使えるから、好きに音楽聴いとき。後で何聴いてたか教えて」
「えっ、ラジオばっか聞いてますよ」
「じゃあカラオケは先の楽しみやな」
 次のデートのための質問だったのかと赤面する。
 何をバカ正直に答えてるのか。
 くすくす笑う岳斗が開いたドアから入り、指定席に荷物を置く。
 携帯とイヤホンを取り出し、夏休みの課題を広げて準備を進めていると、赤本とノートを開いた岳斗が一足先にペンを走らせていた。
 流石、集中に切り替えるのが早い。
 受験生の隣なのだという自覚を持って、宿題を片付けることに気合を入れました。

/421ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ