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もうLOVEっ!ハニー!
第2章 歓迎と予感
近づいてきた私たちに気付いた尚哉がクッとメガネを上げる。
それを見て賢も食べるのを中断した。
「やっほー。くーちゃん。マリケン! こちらが新しいボクの彼女の松園かんなちゃんですっ」
その紹介はどうでしょう。
戸惑う私に尚哉がコップを差し出す。
「美弥に目をつけられるなんて災難だな、新入生。俺は久瀬尚哉。尚哉でいいから」
サラサラの髪を小指で耳にかける仕草に見覚えがある。
誰でしたっけ。
確か、テレビで見た……
乾杯をしながら記憶をたどる。
「んー。くーちゃんはね、大の瑠衣のファンでいちいちビジュアルちっくになるから面倒だけどスルーすればいいよ」
美弥の言葉で思い出した。
そうだ。
国内最大級のモンスターバンド。
ビジュアル系の先端を行く瑠衣。
去年髪の半分を剃り上げたかと思えば、今度は伸びてきた髪を綺麗な灰色に染めて話題になったんだった。
街には彼のコピーが大量に発生したとか。
尚哉さんもその一人ですか。
でもでも、瑠衣さんはメガネじゃなくてサングラスですよ。
敢えて突っ込まずにおとなしく乾杯をする。
「煩いな……お前みたいに本来の性を否定して生きてる奴に文句は言われたくない」
「あっ。それは聞き捨てにならないにゃー。こんの糞眼鏡」
いきなり低い声で圧する美弥の空気の変動に周りが凍りつく。
「まーまー。二人共新入生をあんま脅かすもんじゃないぜ? なっ。かんなちゃん。おれは手鞠賢。気軽くマリケンでいいから」
「ま……マリケン先輩」
「ははっ。うんうん。可愛い響きでいいね。よろしく」
百八十近い大きな体に圧倒されるも、確かに噂通り内面はすごく優しい方みたいです。
そろそろと乾杯した私を穏やかな青い目で眺める。
「マリケン先輩はハーフですか」
「え? ああこれ? いや。おれも尚哉のことどうこう言えないけど、インテイスってアイドルグループ知ってる? あのメンバー全員がこの青のカラコンしてるんだよ。あっ、この今聴いてる曲が彼女たちのなんだけど本当にいい曲だぜ。今度CD貸すから聞いてみない、かんなちゃん?」
「うー! ボクのかんなを変なアイドルに引き込むなマリケン! お前なんか敵だっ」
「えー。それは困る」
本当に困ったように頭を掻いて賢がまた料理に手をつける。
その様子を尚哉は冷たい目で見ていた。
それを見て賢も食べるのを中断した。
「やっほー。くーちゃん。マリケン! こちらが新しいボクの彼女の松園かんなちゃんですっ」
その紹介はどうでしょう。
戸惑う私に尚哉がコップを差し出す。
「美弥に目をつけられるなんて災難だな、新入生。俺は久瀬尚哉。尚哉でいいから」
サラサラの髪を小指で耳にかける仕草に見覚えがある。
誰でしたっけ。
確か、テレビで見た……
乾杯をしながら記憶をたどる。
「んー。くーちゃんはね、大の瑠衣のファンでいちいちビジュアルちっくになるから面倒だけどスルーすればいいよ」
美弥の言葉で思い出した。
そうだ。
国内最大級のモンスターバンド。
ビジュアル系の先端を行く瑠衣。
去年髪の半分を剃り上げたかと思えば、今度は伸びてきた髪を綺麗な灰色に染めて話題になったんだった。
街には彼のコピーが大量に発生したとか。
尚哉さんもその一人ですか。
でもでも、瑠衣さんはメガネじゃなくてサングラスですよ。
敢えて突っ込まずにおとなしく乾杯をする。
「煩いな……お前みたいに本来の性を否定して生きてる奴に文句は言われたくない」
「あっ。それは聞き捨てにならないにゃー。こんの糞眼鏡」
いきなり低い声で圧する美弥の空気の変動に周りが凍りつく。
「まーまー。二人共新入生をあんま脅かすもんじゃないぜ? なっ。かんなちゃん。おれは手鞠賢。気軽くマリケンでいいから」
「ま……マリケン先輩」
「ははっ。うんうん。可愛い響きでいいね。よろしく」
百八十近い大きな体に圧倒されるも、確かに噂通り内面はすごく優しい方みたいです。
そろそろと乾杯した私を穏やかな青い目で眺める。
「マリケン先輩はハーフですか」
「え? ああこれ? いや。おれも尚哉のことどうこう言えないけど、インテイスってアイドルグループ知ってる? あのメンバー全員がこの青のカラコンしてるんだよ。あっ、この今聴いてる曲が彼女たちのなんだけど本当にいい曲だぜ。今度CD貸すから聞いてみない、かんなちゃん?」
「うー! ボクのかんなを変なアイドルに引き込むなマリケン! お前なんか敵だっ」
「えー。それは困る」
本当に困ったように頭を掻いて賢がまた料理に手をつける。
その様子を尚哉は冷たい目で見ていた。