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もうLOVEっ!ハニー!
第2章 歓迎と予感
そんな彼を慰めるように賢が隣に座る。
「まあまあ、あれは全員の洗礼みたいなもんだろー?」
「マリケンもオタクカミングアウトさせられてたしな」
いつの間にかキッチンに移動していた尚哉が呟く。
冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを取り出し注ぐ。
「それを言うな、くーたん」
「その呼び方やめろ」
メガネを押し上げながら毒づくと、私と美弥の向かいのソファに腰掛けた。
そこに座っていたこばるが席を開ける。
「尚哉は何を聞かれたんだっけ?」
「忘れた」
「確か……家族全員の身長言わされたんじゃ」
「黙れ」
よほど身長を気にしているのかドスの効いた声で空気を貫く。
「憧れの瑠衣は百七十八なのに、くーちゃん百六十にも満たないもんねー」
美弥の言葉を黙殺する。
きっと入寮してから毎日のように言われ続けてきたのだろう。
うんざりした顔でボトルから直接水を飲む。
「かんなが暴露してくれたんだし、ここにいるメンバーだけでも入寮事情暴露っちゃおうか」
「きた。美弥のむちゃぶり」
陸が腕に顔を埋めて情けない声で言う。
「だってボクらだけ秘密なんて不公平じゃない?」
「じゃあ、まずお前の性別から暴露しろ」
「えー、心の性別は正真正銘男だよボク」
「性転換でもしちまえ」
尚哉のつっこみに冷ややかに答える。
「お金があったら速攻やってるっての。ボクがここに来た理由は単純、正規寮に入れるお金がなかったからだよ。あと、ここでなら男子として振る舞えるからね」
やっぱり、女だったんですね。
ジャージを着ていてもわかる胸の膨らみ。
仕草は全て男らしいし、ときに見せる迫力は女性のそれとはかけ離れているが、生来の雰囲気は女性らしさそのもの。
美緒と呼んで。
その言葉の裏にはどんな思いがあるのか。
「隆人はボクを男として扱ってくれるし、制服も学ランでおっけーしてくれたんだ」
「それはすごいですね」
美弥は目を細めると私の顎に指をかけた。
色気がある低音で誘う。
「だから安心して、ボクと付き合っちゃおうよ。かんな」
「不純同性愛禁止ー」
カタコトで言いながらこばるがその手を振り払う。
「まあまあ、あれは全員の洗礼みたいなもんだろー?」
「マリケンもオタクカミングアウトさせられてたしな」
いつの間にかキッチンに移動していた尚哉が呟く。
冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを取り出し注ぐ。
「それを言うな、くーたん」
「その呼び方やめろ」
メガネを押し上げながら毒づくと、私と美弥の向かいのソファに腰掛けた。
そこに座っていたこばるが席を開ける。
「尚哉は何を聞かれたんだっけ?」
「忘れた」
「確か……家族全員の身長言わされたんじゃ」
「黙れ」
よほど身長を気にしているのかドスの効いた声で空気を貫く。
「憧れの瑠衣は百七十八なのに、くーちゃん百六十にも満たないもんねー」
美弥の言葉を黙殺する。
きっと入寮してから毎日のように言われ続けてきたのだろう。
うんざりした顔でボトルから直接水を飲む。
「かんなが暴露してくれたんだし、ここにいるメンバーだけでも入寮事情暴露っちゃおうか」
「きた。美弥のむちゃぶり」
陸が腕に顔を埋めて情けない声で言う。
「だってボクらだけ秘密なんて不公平じゃない?」
「じゃあ、まずお前の性別から暴露しろ」
「えー、心の性別は正真正銘男だよボク」
「性転換でもしちまえ」
尚哉のつっこみに冷ややかに答える。
「お金があったら速攻やってるっての。ボクがここに来た理由は単純、正規寮に入れるお金がなかったからだよ。あと、ここでなら男子として振る舞えるからね」
やっぱり、女だったんですね。
ジャージを着ていてもわかる胸の膨らみ。
仕草は全て男らしいし、ときに見せる迫力は女性のそれとはかけ離れているが、生来の雰囲気は女性らしさそのもの。
美緒と呼んで。
その言葉の裏にはどんな思いがあるのか。
「隆人はボクを男として扱ってくれるし、制服も学ランでおっけーしてくれたんだ」
「それはすごいですね」
美弥は目を細めると私の顎に指をかけた。
色気がある低音で誘う。
「だから安心して、ボクと付き合っちゃおうよ。かんな」
「不純同性愛禁止ー」
カタコトで言いながらこばるがその手を振り払う。