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もうLOVEっ!ハニー!
第19章 友情の殻を破らせて
入れ替わりであくびをしながら亜季が入ってくる。
その後ろで宿題のやり残しがないか確認し合うルカと奈己。
「読書感想文なんて中学までで十分だよなあ」
「そう言いつつ、僕が貸した推理小説を意気揚々と論じてましたけど」
「いいですね、私も奈己に本をチョイスしてもらうべきでした」
ぺこりと会釈すると、三人とも挨拶を返す。
汐里がカレーを並べる間に、ルカに声を掛ける。
「あの、ルカさん。モデルってどうやってなったんですか」
耳に髪をかけながら、美しく微笑む。
「興味あるんですか、松ちゃん」
「いえいえ! 私じゃなくて、ガク先輩とか似合いそうだなって」
「なるほど。私はオーディションですよ。親が金を稼いで来いと言ったので。いまだにお金は仕送りしてますし、家族と縁を切ったわけではないので」
知りませんでした。
入学時に様々な事情があるとは聞いていましたが、まだ家族と交流のある方もいるんですね。
かと言って何も問題がないわけではないでしょうが。
じとっと見ていた亜季がルカの後ろから口を挟む。
「ルカは天性のものが輝いてるの。スーパースターなんだから」
「お黙りください、亜季」
一蹴されてシュンと目線を落とし、サラダを食べる。
それを見守る奈己は親のように愛に満ちた目線。
本当に不思議な関係性。
「まあでも、あの方なら現場に連れて行くだけで目に止まりそうですけどね」
「ですよね! 一度ボディガードとして見学連れて行ったりできませんかね」
「あら。松ちゃんかなりその気なんですね。でも、本人に了承は得てますか」
「それは」
「まだやな」
ベストタイミングで入ってきた岳斗に、ルカがニヤリと。
私は悲鳴を喉で抑えるのに必死。
こばるのいた席に座りながら、机に頬杖をつく。
視線が鋭くビシビシ刺さってくる。
「俺がいつモデルになりたいて話したん」
「私が勝手に盛り上がって話したんです」
「いーじゃあん? 進路決まってないし」
会話を聞いていた美弥が心底楽しそうに突っ込む。
「一人宝塚は黙っとけ。どうせ俺がポーズとったら腹抱えて笑い死ぬやろ」
「んははっ! にゃはっ、やっば。絶対待受にする」
「いいですわね。岳斗が一般大学とか高卒とかイメージじゃないし」
「せめて、同期女子がおるとこで持ち出さんといて」
「すみません……」
ルカは楽しそうに水を飲んだ。