この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
もうLOVEっ!ハニー!
第19章 友情の殻を破らせて

「それで、どこまで本気の話ですか」
 板挟みにされて、軽々しく話題を投げた自分を恨む。
「俺? ルカが命懸けのもんに半端な気持ちで首突っ込んだりせえへんよ。かんなの思いつきやから」
「ごめんなさい」
「いえいえ、私は乗り気ですよ。最近十代の男性モデルにあなたのような一重で、華があって体が出来上がっている人が少ないんですよ。お世話になってる雑誌の方が近々オーディションを開催すると聞いてますし。チャンスな時期ではありますよ」
「ちょお待って。現実味帯びすぎ」
「以前から思っていましたが、ガク先輩の容姿は活用するべきだと思います」
 その道にいる者に声をかけられて、胸が高鳴らない人なんていない。
 岳斗も少し考え込んだ。
「ちなみに、ルカの次の現場はいつなん」
「今週末ですよ。スタジオなので、先に事情話して許可証もらわないと入れませんが……始業式の後にでも写真を撮らせてくれますか?」
 ものすごいスピードで進む話に、食堂中が耳を立てている。
 トントンとカウンターを指で叩き、岳斗が口を開いた。
「箸にも棒にもかからんかったとして、ルカに迷惑かからん?」
 まさか、と首を振る。
 汐里がそーっと岳斗の前にカレーセットを置いた。
 スプーンに指をかけつつ、低く唸る。
 進路の悩みは何度も聞いていた。
 服飾に興味があるのならば、見学だけでも価値があるはず。
 ルカは今すぐにでも連絡を取らんばかりに携帯を取り出す。
「アンナもいますけど」
「それはかまへんけど」
 美弥だけはうげっと顔をしかめた。
 アリスの言葉は本当だったのでしょうか。
 夏休み中に接点があったのか、聞きたいけれどタイミングがない。
 ピアスを指でいじりながら、大きく息を吐いてから岳斗が答えた。
「始業式の後どこ行ったらええの」
 何か奇跡が始まりそうな予感に顔が緩んでしまう。
 ルカはサラダをフォークで突き刺しながら、そうですね、と続けた。
「自然光の中の方が、いい写真が撮れそうなので、南門近くの池のあたりにしますか」
 約束を取り付けたことで、ことが動き出すのを肌で感じる。
「わかった。手間かけてごめんな。お願いするわ」
「良かったですね、松ちゃん」
「はい!」
 今気づきました。
 なんて美しい二人に挟まれているんでしょうか。
 蘭がおもちゃを手に入れたように目を輝かせて、美弥と笑った。
/421ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ