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もうLOVEっ!ハニー!
第3章 追いかけてきた過去
「風呂上りに男と密室で二人きりになっちゃダメだって教わんなかった?」
 誰が教えてくれるというんでしょう。
 家族?
 友人?
 いや、教えてくれたのは私を襲ったあの男。
 他人。
 でも、私は馬鹿だから。
 手遅れになるまで気づかない。
 もう抵抗すらできなくなった状況に絶望する。
「なんで……っ」
 口を突いて出たのはそれだけだった。
 私は望んだだけなのに。
 中学までとは違う生活を。
「あんたは、好き勝手生きてきたじゃんっ! 私にも……私にもそろそろまともな人生くれたって、いいじゃないですかっ!」
 必死に訴える。
 動かない体に力を入れて。
「まともな人生? なんの価値があんの、それ」
 言い返そうとした口が塞がれる。
「んむっ」
 目をギュッと閉じて耐える。
 絶対開くもんかと思ったが、舐められたとたんに力が抜けて簡単に舌を入れられた。
 クチュクチュと水音が響く。
 熱い。
 怖くて口を閉じることも出来ない。
 舌を無理やり絡め取られる。
 溢れた唾液が伝う。
 涙もぽろぽろ零れた。
 助けて。
 なんで。
 それだけが浮かんだ。
 力の差は歴然だった。
 片手で抑えられた手はどうやっても解けられない。
 貪るようなキスが終わると、首筋に舌が這う。
「あっ、んん……ふッッ」
 せめて口を塞いでくれたら良かったのに。
 必死で声を殺す。
 美弥さんに聞かれたくなんかない。
 反対の手で寝巻きのボタンを外していく。
 冷たい指が肌に触れ、腰が浮いた。
 下着をズラされ突起を摘まれる。
「ひうっ、んんんッッ」
 下半身が疼く。
 嫌だ。
 私、覚えてる。
 あの時の刺激を。
 嫌だ。
 過去の私なんかに、溺れたくない。
「やだ、離してッッ、ああ、んくっ」
 鼻から息が漏れる。
 歯を食い縛る。
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