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もうLOVEっ!ハニー!
第4章 暴露ゲーム開始

 食堂を出て陸と別れ、入口で待つ。
 数分後、つばるが出てきた。
 その肩を掴んで、廊下の奥に引っ張る。
 抵抗もしない。
 それが気味悪かった。
 華海都寮はその入り組んだ廊下で有名だ。
 少し奥に行けば、誰にも聞かれず会話ができる。
 そこで手を離した。
「なんですか、先輩」
 肩を摩りながらつばるが言う。
「お前、かんなに何した?」
 その名前に一瞬反応する。
 それから薄く笑んだ。
「なに? 兄貴の彼女?」
「ちげえよ」
「じゃあ、なんで気にすんの? 俺らが同じ中学だから?」
「お前が来てからずっと様子が変なんだよ」
「それは兄貴も同じだろ」
 ダンッ。
 壁を殴る。
 この辺には住民がいないから大丈夫のはずだ。
 その音にも一切怯まない。
「問題起こすんなら他の寮に行け」
「問題児しかいないんだろっ? ここは」
 可笑しそうに言う。
 ピリピリと。
 こめかみが痛む。
「俺が心配なら松園かんなと同じ部屋にすればいいんじゃねえの?」
 そう言い捨ててつばるは去っていった。
 これ以上、話すこともなかったから止めなかった。
 ひとつだけ、わかった。
 あいつは、中学でかんなと関係があった。
 それも、余程悪い関係。
 そして、今も。
 拳を握る。
 深く息を吐く。
 陸に相談しようか。
 それとも隆人?
 ハッ。
 情けねえ。
 弟のことを他人に相談か。
 固めた髪ごと頭を抱える。
「頭痛え……」
 誰もいない廊下で呟いた。
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