この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater28.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
もうLOVEっ!ハニー!
第5章 悪戯ごっこ
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
ポケットから鍵を取り出して鍵穴に差し込む。
回そうとすると何か抵抗を感じた。
首を傾げて鍵を抜き、扉に手をかけるとすっと開いた。
開いてたのか?
岳斗は眉をしかめて中に入った。
「あっ。ガク先輩、ちーっす」
金髪が陽光を反射する。
「なんや、こばるか」
「なんやってことないでしょ。オレ今センチメンタルジャーニーなんすよ」
「はあ?」
こばるが床に胡坐をかいて頭を掻く。
その傍らにはピアッサーとオキシドール、ガーゼが無造作に置いてある。
「また増やすんか」
トンと自分の耳を指で叩いて問いかける。
すでにこばるの両耳には二か所穴が貫通しているのだ。
こばるは目線を上げて寂しげに笑う。
「オレ、リストカットとか嫌なんすよ」
「俺もやで」
岳斗は荷物をロッカーに仕舞って隅の冷蔵庫を開ける。
うわ、なんもな。
当たり前か……
春休みの終わりかけやしな。
バタンと閉めてからこばるの隣に座る。
片足を立てて手を後ろに突いて。
「耳に針刺すくらいなら自傷ってほどじゃないじゃないですか」
「せやけど、痛いのは」
「変わりませんけど」
言葉の続きを引き取ったようにこばるが言う。
岳斗はぐしぐしと長く綺麗な指で彼の頭を撫でた。
こばるがびくっと反応した。
「なっ、なんすか先輩」
「なんかあったんか」
低音の声が静かな部室の空気に溶けていく。
それが気持ちよくて、こばるは少し気が落ち着いた。
「なんていえばいいかわかんないんですけど……先輩って嫌いなヤツいます?」
「隆人だろー、蘭やろ、一人宝塚の美弥やろ……それから」
「いやその」
余りにスラスラいうのでつられて笑ってしまう。
「ぎょーさんおるで?」
「存在自体苦手なヤツはいますか」
「そこまで他人に執着せえへんし」
飄々と。
その淀みのない口調が安心する。
こばるは手の中でピアッサーを転がす。
「新入生のやんちゃバカと早速喧嘩でもしたんか」
「えっ。先輩つばるに会ったんすか!?」
「誰やねん、ソレ」
「だからその……え? やんちゃバカ?」
「ああ。それは蘭がそう云うてただけ。まだ会うてへんよ」
「そうすか……」
こばるの目線が空中に漂う。
岳斗はじーっと後輩を見つめた。
「早乙女こばるくん」
「へ?」
がっと首を腕で締める。
回そうとすると何か抵抗を感じた。
首を傾げて鍵を抜き、扉に手をかけるとすっと開いた。
開いてたのか?
岳斗は眉をしかめて中に入った。
「あっ。ガク先輩、ちーっす」
金髪が陽光を反射する。
「なんや、こばるか」
「なんやってことないでしょ。オレ今センチメンタルジャーニーなんすよ」
「はあ?」
こばるが床に胡坐をかいて頭を掻く。
その傍らにはピアッサーとオキシドール、ガーゼが無造作に置いてある。
「また増やすんか」
トンと自分の耳を指で叩いて問いかける。
すでにこばるの両耳には二か所穴が貫通しているのだ。
こばるは目線を上げて寂しげに笑う。
「オレ、リストカットとか嫌なんすよ」
「俺もやで」
岳斗は荷物をロッカーに仕舞って隅の冷蔵庫を開ける。
うわ、なんもな。
当たり前か……
春休みの終わりかけやしな。
バタンと閉めてからこばるの隣に座る。
片足を立てて手を後ろに突いて。
「耳に針刺すくらいなら自傷ってほどじゃないじゃないですか」
「せやけど、痛いのは」
「変わりませんけど」
言葉の続きを引き取ったようにこばるが言う。
岳斗はぐしぐしと長く綺麗な指で彼の頭を撫でた。
こばるがびくっと反応した。
「なっ、なんすか先輩」
「なんかあったんか」
低音の声が静かな部室の空気に溶けていく。
それが気持ちよくて、こばるは少し気が落ち着いた。
「なんていえばいいかわかんないんですけど……先輩って嫌いなヤツいます?」
「隆人だろー、蘭やろ、一人宝塚の美弥やろ……それから」
「いやその」
余りにスラスラいうのでつられて笑ってしまう。
「ぎょーさんおるで?」
「存在自体苦手なヤツはいますか」
「そこまで他人に執着せえへんし」
飄々と。
その淀みのない口調が安心する。
こばるは手の中でピアッサーを転がす。
「新入生のやんちゃバカと早速喧嘩でもしたんか」
「えっ。先輩つばるに会ったんすか!?」
「誰やねん、ソレ」
「だからその……え? やんちゃバカ?」
「ああ。それは蘭がそう云うてただけ。まだ会うてへんよ」
「そうすか……」
こばるの目線が空中に漂う。
岳斗はじーっと後輩を見つめた。
「早乙女こばるくん」
「へ?」
がっと首を腕で締める。
![](/image/skin/separater28.gif)
![](/image/skin/separater28.gif)