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わたしの心が消えるとき
第5章 それぞれの夜
「この学校の生徒の前に出るのは、得策とは思えません」
「あんたこそ、ここで何してる?俺の監視か?」
「仕事のお話しです。少々事情が変わりました」
「お話しか…嬉しいね。またあんたを抱けるわけだ」

紗耶は笑顔で
「そうですね。私も楽しみです」

ふたりを乗せた車は、雨の中を、再びあのホテルに向かって行った。

紗耶のセックスは、その日も激しかった。
砂漠で渇きに苦しむ者が水を貪るように、隆司の体を求めた。
まるで何かから逃げたいようにも感じる。

隆司は思った。

こいつも淋しい女かもしれない…

行為を終えても、紗耶は裸のままだった。深刻な顔をしている。

隆司はその様子が気になり
「どうした?」
「…これから、隆司さんに全てをお話しします。依頼主の事…あなたの仕事の本当の意味…」
「大丈夫なのか?俺に話しても」
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