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わたしの心が消えるとき
第6章 偽りの恋
車は祥のアパートに向かっていた。
そこでほのかを帰して、祥の役目は、全て終わる事になる。

目的地が近付いた時、ほのかは
「祥さん、ありがとうございました」
祥は笑いながら
「何だい?改まって…」
「私に、本当の恋人みたいにしてくれて…愛してるって言ってくれて…本当にうれしかったです」
「ほのかちゃん…」
「私、一生忘れません。初めての人が祥さんで、すごく幸せです」

やはり、ほのかは気付いていたのだ。祥の愛が、偽りである事を…

「祥さんは、私の夢でした。心の中の王子様です。夢を叶えてくれて、ありがとうございました」

祥は、女性を本気で愛した事がない。
彼にとって女は、金の為、快楽の為に利用するものだった。
彼の美しい容姿の前にひざまずき、優しく接してやれば、どんな要求にも喜んで応える、そんな女達ばかりだった。
真実の愛を知らないという意味では、これは不幸な事であるとも言える。

しかし、今回利用されたのは、祥の方だった。
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