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わたしの心が消えるとき
第6章 偽りの恋
たしかに、友達に金で雇われて、ほのかを抱いた。だが、何も聞かされてないはずの彼女は、全て見抜いていた。
しかも祥は昨夜、不覚にも、ほのかを愛しいと感じてしまった。

今のほのかは、初めて会った時とは、別人のようだ。あの時は、いつも何かに怯えているようだった。

容姿は変わらない。相変わらず小学生みたいだ。しかし今は、自分の気持ちを堂々と口にしている。
急に大人びて見えた。

俺は…この子が成長するための踏み台か…

完敗だった。


アパートの駐車場で、車を降りた。
「祥さん、さようなら」
ほのかは、ぺこりと頭を下げて歩き出そうとした。
「ほのかちゃん!」
祥は呼び止めた。
少女は振り向く。
「最後に…もう一度だけ、キスしていいかな?」
少女は微笑んだ。目をつむり、顔を上げた。
祥は肩を引き寄せ、唇を近づける…
その時。

「ほのか!!」
叫び声がした。
ほのかは目を開け、表情が凍りつく。
「ママ…!」
祥は声のした方を振り返った。
道路の向こうに、ほのかの母親が立っていた
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