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わたしの心が消えるとき
第6章 偽りの恋
一学期の終業式が終わり、学校は夏休みになった。
その日の夕方、駅のホームは、大勢の人が行き交っていた。
渚は思った。
この人達、どこに行くんだろう…
ほのかは、わずかの間に、ずいぶん大人っぽくなった。
明るい花柄のワンピース。レースのカーディガン。ツバの大きい、白い帽子がよく似合っていた。
手荷物は、小さなショルダーバッグだけだった。
「渚ちゃん、真由ちゃん。私のために、いろいろしてくれて…本当にありがとう」
ほのかは改まって、礼を言った。
涙声だが、どもりは完全に消えていた。
真由は戸惑いながら
「やめてよ…そんなの…友達だから、当たり前だろ?」
涙ぐんでいた。
渚は
「ほのかも真由も、何してるの?」
「渚ちゃん…」
「悪いけど、あたしは泣かないよ。さよならも言わない。だって、これでお別れじゃないでしょ?ほのかの家が、ちょっと遠くなるだけだよ」
その日の夕方、駅のホームは、大勢の人が行き交っていた。
渚は思った。
この人達、どこに行くんだろう…
ほのかは、わずかの間に、ずいぶん大人っぽくなった。
明るい花柄のワンピース。レースのカーディガン。ツバの大きい、白い帽子がよく似合っていた。
手荷物は、小さなショルダーバッグだけだった。
「渚ちゃん、真由ちゃん。私のために、いろいろしてくれて…本当にありがとう」
ほのかは改まって、礼を言った。
涙声だが、どもりは完全に消えていた。
真由は戸惑いながら
「やめてよ…そんなの…友達だから、当たり前だろ?」
涙ぐんでいた。
渚は
「ほのかも真由も、何してるの?」
「渚ちゃん…」
「悪いけど、あたしは泣かないよ。さよならも言わない。だって、これでお別れじゃないでしょ?ほのかの家が、ちょっと遠くなるだけだよ」