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わたしの心が消えるとき
第8章 最後の野獣
「相変わらず、勝手な男ね」
本多香澄は、診察室の椅子で、足を組んで隆司に言った。
アップにした髪と銀縁眼鏡が、知的な雰囲気を漂わせている。
細身の身体に白衣とタイトなスカートがよく似合う。
「何年も音沙汰なしで、いきなり来たと思ったら、訳ありの患者連れてきて…。あの子何?あなた子供いたの?」
「違うよ…知り合いだ。詳しい事は言えないが…」
「いいけど…。何かヤバい事に関わってないよね?」
「迷惑はかけないよ」
「私の事はいいよ。あなたが心配なの」
「俺をフったのに?」
「あなたが勝手に私から離れたじゃないの!顔のケガくらいで、ひとりで落ちこんで…私の気持ち考えた事ある?」
「ごめん…」
「いいよ…もう手遅れだし…」
「香澄、あの子の意識は戻るか?」
本多香澄は、診察室の椅子で、足を組んで隆司に言った。
アップにした髪と銀縁眼鏡が、知的な雰囲気を漂わせている。
細身の身体に白衣とタイトなスカートがよく似合う。
「何年も音沙汰なしで、いきなり来たと思ったら、訳ありの患者連れてきて…。あの子何?あなた子供いたの?」
「違うよ…知り合いだ。詳しい事は言えないが…」
「いいけど…。何かヤバい事に関わってないよね?」
「迷惑はかけないよ」
「私の事はいいよ。あなたが心配なの」
「俺をフったのに?」
「あなたが勝手に私から離れたじゃないの!顔のケガくらいで、ひとりで落ちこんで…私の気持ち考えた事ある?」
「ごめん…」
「いいよ…もう手遅れだし…」
「香澄、あの子の意識は戻るか?」