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わたしの心が消えるとき
第8章 最後の野獣
香澄は難しい顔をした。
「何とも言えない…。投与された薬の量が多すぎたの。呼吸は浅いし、低体温だったから…。もう少し遅かったら、手遅れだったのよ」
「お前だけが頼りなんだ。何とか頼むよ」
「もちろん私も医師として、出来るだけの事はするわよ。あとは…あの子次第ね」
本多クリニックは、小さな病院で、入院患者もほとんどいない。
四人部屋の病室も、患者は渚ひとりだ。
深夜の病室。
ベッド脇の椅子に座って、真由とほのかは渚を見守っていた。
治療のおかげで、かなり血色は良くなったが、他に変化はない。
ほのかはずっと渚の手を握っていた。
真由はじっと考え込んでいた。
「ねえ…ほのか…」
「ん?」
「渚が目覚めたら…あの事、話した方がいいかな…」
「何とも言えない…。投与された薬の量が多すぎたの。呼吸は浅いし、低体温だったから…。もう少し遅かったら、手遅れだったのよ」
「お前だけが頼りなんだ。何とか頼むよ」
「もちろん私も医師として、出来るだけの事はするわよ。あとは…あの子次第ね」
本多クリニックは、小さな病院で、入院患者もほとんどいない。
四人部屋の病室も、患者は渚ひとりだ。
深夜の病室。
ベッド脇の椅子に座って、真由とほのかは渚を見守っていた。
治療のおかげで、かなり血色は良くなったが、他に変化はない。
ほのかはずっと渚の手を握っていた。
真由はじっと考え込んでいた。
「ねえ…ほのか…」
「ん?」
「渚が目覚めたら…あの事、話した方がいいかな…」