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わたしの心が消えるとき
第5章 それぞれの夜
清川家の、その日の夕食はカレーライスだった。
渚の祖母は、市販のルーを使わない。
いつもスパイスを調合して手作りする。
だから、どんな店にも負けないくらい美味だ。
実際、渚は外食をした事がない。必要ないからだ。
渚が食べている間、祖母は台所にいた。
いつも渚は、ひとりで食事する。祖母は渚が食べ終わってから、ひとりで、ひっそりと済ませる。
まるで、何かに遠慮しているようだ。
渚は祖母に呼び掛けた。
「ねえ、おばあちゃん」
祖母が顔を出した。
「お代わりですか?」
「たまには、一緒にご飯食べようよ」
思いがけない申し出に祖母は驚いたが、素直にテーブルについた。
渚は食べながら
「今日ね、友達が小さい時の写真、持ってきたんだ。男の子みたいな感じの子なのに、リボン付けてたりして、おかしかったよ」
祖母は笑顔で
「学校が楽しいみたいですね。安心しました」
「でね、あたし思ったんだけど…」
渚の祖母は、市販のルーを使わない。
いつもスパイスを調合して手作りする。
だから、どんな店にも負けないくらい美味だ。
実際、渚は外食をした事がない。必要ないからだ。
渚が食べている間、祖母は台所にいた。
いつも渚は、ひとりで食事する。祖母は渚が食べ終わってから、ひとりで、ひっそりと済ませる。
まるで、何かに遠慮しているようだ。
渚は祖母に呼び掛けた。
「ねえ、おばあちゃん」
祖母が顔を出した。
「お代わりですか?」
「たまには、一緒にご飯食べようよ」
思いがけない申し出に祖母は驚いたが、素直にテーブルについた。
渚は食べながら
「今日ね、友達が小さい時の写真、持ってきたんだ。男の子みたいな感じの子なのに、リボン付けてたりして、おかしかったよ」
祖母は笑顔で
「学校が楽しいみたいですね。安心しました」
「でね、あたし思ったんだけど…」