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わたしの心が消えるとき
第5章 それぞれの夜
「何ですか?」
「この家、写真ないよね?」
「お父様達なら…仏壇に…」
「そうじゃなくて、アルバムとか、ひとつもないよね?あたしの写真も。どうして?」
「…お父様は、写真が得意ではなかったんです…カメラも…持っていませんでした…お母様も、好きではなかったみたいで…」
「なんか、変じゃない?」
「そ、そうですか…?」
それっきり、祖母は黙ってしまった。
なんか…おばあちゃん、かわいそう…
それに、あたしがいじめてるみたいじゃない?
「おばあちゃん、あたし気にしてないから。大丈夫だよ」
しかし、渚の心には、霧のようなモヤモヤしたものが立ち込めていた。
こんな時は…あれをしないと治まらない…
その時、電話が鳴った。
祖母が受話器を上げ
「はい、清川でございます」
男の声がした。もちろん、渚には聞こえない。
「今月は、22日だ」
電話が切れた。
「この家、写真ないよね?」
「お父様達なら…仏壇に…」
「そうじゃなくて、アルバムとか、ひとつもないよね?あたしの写真も。どうして?」
「…お父様は、写真が得意ではなかったんです…カメラも…持っていませんでした…お母様も、好きではなかったみたいで…」
「なんか、変じゃない?」
「そ、そうですか…?」
それっきり、祖母は黙ってしまった。
なんか…おばあちゃん、かわいそう…
それに、あたしがいじめてるみたいじゃない?
「おばあちゃん、あたし気にしてないから。大丈夫だよ」
しかし、渚の心には、霧のようなモヤモヤしたものが立ち込めていた。
こんな時は…あれをしないと治まらない…
その時、電話が鳴った。
祖母が受話器を上げ
「はい、清川でございます」
男の声がした。もちろん、渚には聞こえない。
「今月は、22日だ」
電話が切れた。