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富美
第1章 出会い
富美は情の深くて、いい女だったと高木(たかぎ)秀夫(ひでお)は今でもそう思っている。
「秀夫ちゃん、抱いて・・」
耳の奥に残るその声を思い出すと、ペニスが硬くなってしまう・・
「秀夫、ちょっと手伝って欲しいんだよ」
高校1年の6月、秀夫は父の知り合いのお土産店のオーナーの呼ばれた。
「もう1軒、店を出したから人手が足りないんだ。夏休みだけでいいから、頼むよ」
秀夫は人見知りしてしまうタイプだったので、本当は気が進まなかった。だが、オーナーの傍らにいた金井(かない)富美(ふみ)を見て気が変わった。
「富美どす」
彼女は36だと言っていた。16の彼からすれば「ババア」だが、色白で細身、そして優しい言葉使い。陽に焼けて逞しいここら辺の農家のおかみさんたちとは違っていた。
「私は他の店もあるので、ここは富美さんと秀夫に任せたから、よろしく」
単なる「お手伝い」だったのが、急に責任が重くなってしまったが、富美と二人だけというのは、秀夫にとって〝嬉しい誤算〟だった。
「男出入りが激しくて、旦那も愛想をつかしたそうや」
「へえ・・あんなに優しい顔をしとるのになあ」
「顔では判断できんよ。子供も置いて来たった話しや」
「まだ36やろ。どないするつもりやろうか?」
「ええ男を見つけようとしとるんとちゃうか?秀夫ちゃんも気いつけんとあかんよ」
「何を言うとります。あん子はまだ16。おなごのことなんか何も知らん。寝た子を起すようなことは言わんといて」
アルバイトを始めて1週間目、家に帰ってきた秀夫は、母親が隣のおばさんと話をしているのを聞いてしまった。
「寝た子」と母が言うように、秀夫は背丈こそ172cmあったが、童顔で中学生と間違えられることもあった。だが、やはり16歳。部屋にはエロ雑誌を隠してあり、インターネットでは女性の全裸を毎日眺めていた。そんな秀夫だから、この話は非常に気になるものだった。